ユーラシア大陸の果てを目指してポルトガルに行ってきた【2】―ポルト―
9/16 ポルト 快晴
この日は朝10時に友達と待ち合わせ。ゆっくりで良いとの事だったので、10時より少し遅れるくらいに待ち合わせのMarques駅まで行く。
公園みたいになっていて、近くに噴水やベンチ、教会があった。
友人によるとここの教会はとてもモダンな作りなんだとか。
時間があまったのでカフェで朝ごはん。
友人が「ポルトガル人はカフェが大好きですぐカフェに行く」と言っていたとおり
ポルトガルには本当にカフェが多い。
そして、どこのカフェにも必ずパステル・デ・ナタがある。
コーヒーとパステル・デ・ナタ
ポルトガルでコーヒーと言うとこの小さいものが出てくる。パステル・デ・ナタは周りがサクサク、中がカスタードクリームでとろり。
友人が来たのは11時くらい。こっちの人はおおらかでのんびりしているんだな、と思ったがどうも様子がおかしい。
教会の鐘の音を聞いてみると、10回しか鳴らない。ついでに広場の時計も10時を指している。
そう。私はアムステルダム時間から時計を直すのを忘れていた。
(オランダとポルトガルは1時間の時差があり、ポルトガルが1時間遅れている)
先のアホな失敗とはこの事である。
つまり全てにおいて1時間前行動をしていたのでした。昨夜ホテルに着いた際に、「とても遅くなってごめんなさい」と謝ったが、マイナス1時間なので時間ぴったりについた計算になる。ホテルの人は「なに言ってんだこいつ」と思ったろう…。
ついでに11時に来たと思っていた友人は10時ぴったりに来たという事になる。
そうか…乗り継ぎだとこういう事があるんだよね…。
一つ学習した。
さて、友人と会うのは3年ぶりくらいで、おしゃべりがはずむ。3年前、彼女が日本に来た時に会ったきりだ。今回お世話になる友人の名前はマリザという。
何か大きな箱を抱えてきたので、なんだろう?と思ったらなんとパォン・デ・ローだった。カステラのご先祖だ~!夜に食べようと思って持ってきてくれたという。わー楽しみ!
これから約6日間、よろしく!
滞在するホステル(民宿のようなもの)に荷物を預けてさっそくポルト観光に。
ボリャオン市場。日本ではちょっと見ない、珍しい野菜がたくさんあった。魚や肉、生きたニワトリまで売っている。ニワトリだ~かわいい!と言った瞬間、あれは〆られる運命である事に気付く。しょうがないね。鶏肉、美味しいから。余談ではありますがポルトガルの鶏肉は味が濃くてうまいです。
アズレージョがふんだんに使われた建物。なんの建物なのかはわからない。なんか空き家っぽい?
ドウロ川のほとりに来た。この辺がカイス・ダ・リベイラ。レストランやカフェがたくさん並んでいて、とても賑やか。シックな街並みと強い日差しに白いパラソルが映える。
時間もちょうどお昼に差し掛かっていたので、カイス・ダ・リベイラでランチを摂る。ポルトガルではメジャーなちりめんキャベツのスープ。マリザのおすすめ。彼女もこれが大好きだと言う。シンプルな味付けでうまま。ちなみに、このスープの上にはチョリソー(というと辛いものをイメージしがちだけど、全く辛くない)が載っているのだけど、初めてポルトガルのチョリソーを食べてびびった。うっま!!!!!
そして私の反応に笑うマリザ。本当においしいんだよー!!肉の味が主張してくる。加工肉じゃない、ちゃんとした、肉料理としてのチョリソー。ああ、うまいうまい。スープもおいしい。あっという間に平らげた。
料理名は分からないがとにかくタコ。7€くらい。茹でたタコをハーブとビネガー、塩で味付けしたシンプルなものだけどこれがうまい。フライドポテトもうまい。芋の味が濃い。私は確信した。ポルトガルのご飯、超おいしい!!!これは帰国したらダイエットを余儀なくされるぞ!!!
後々気付いたんだけど、なんというか、ポルトガル飯は素材の味が濃い気がする。だからシンプルな味付けでも充分美味しいんだろうな。オリーブオイルもめちゃうまだったしなあ。
腹ごなしにドウロ川沿いを歩いて、サン・フランシスコ教会を目指した。
最後の一枚はドン・ルイス橋からの眺め。本当に魔女の宅急便みたいな、かわいらしい街並み。
路地を入ると普通に住宅街。いい匂いが漂ってくる。なんだろうと思っていたら、玄関先にグリルが出してあって鮭やイワシ、貝類を焼いていた。マリザに「売り物?」と聞いたら、一般家庭で食べるものだそうで。こんな観光客が多いところに出しておいたらつまみ食いされちゃいそう。
サン・フランシスコ教会に到着。外観の写真を撮るのを忘れた。中は黄金、非常に豪華絢爛な教会で、これが美しいのですが、写真禁止のため写真はなし。入り口に立っていた受付の男性が私が日本人だと知ると「スゴ~イ、キレ~イ」と言っていて、笑った。確かに日本人はすぐにすごーいキレーイ言う。ある時期になると、日本人の観光客が増えるのだとマリザが通訳してくれた。
ここはサン・フランシスコ教会の別館。遺物やカタコンベがある。
ポルトガルのカタコンベ。ひんやりとした雰囲気。すっかり肉体がなくなり、骨だけになると、骨を拾って別の場所に移すので、骨だけを保管している場所がある。
エンリケ航海王子の像。ポルトガルは海と船と切っても切れない関係なのだと思う。ちょうどこの隣にボルサ宮殿がある。エンリケ航海王子、ボルサ宮殿、サン・フランシスコ教会は隣接しているので観光しやすい。
ボルサ宮殿。またしても外観写真を撮るのを忘れた。ちなみにボルサ宮殿内部は、広さのためもあってかガイドツアーでしか見られない。それもあってか入場料は他に比べて高め。観光客が多いので、ガイドツアーの言語は、英語、フランス語、ポルトガル語、スペイン語が選択できた。正直どれも分からないけれど一応英語を選択。案の定ガイドの言っている事は半分以上わからなかった。
一番有名らしい場所。経済力を示すために作られたところらしい。マリザが通訳をして色々教えてくれる。ありがたい。
さて、ポルトでは、ちょっと移動しただけでとんでもなく疲れてしまったんだけど。その理由。坂が、ハンパじゃない。
これが当初の旅のプランである。距離的にもそう離れてはいない。googleマップで検索した上で「これは徒歩でいけるな」と判断したプランなんだけど。ポルトは坂が多いとガイドブックに乗っていたけど、なめていた。というよりは想像もしていなかった。こんな急な坂は。ちょっとした登山レベルな箇所がかなりある。登山道に石畳敷きました!みたいな感じ。普段真っ平らなところを歩いている関東平野民に、これはきつかった。もりもり歩くつもりだったけど、老婆のごとく腰は曲がり、足はガクガク、ヒーコラ言いながらなんとか坂を登りきる有様。ポルトガルで歩くために体力をつけておこうと、一日6km歩くようにしていたけど、全く歯が立ちませんでした!! ここまでとは聞いてない。というか、こんなに疲れるなんて、どのブログにも書いてなかった。ポルト観光した方、この坂を登りきったんですか…?それとも、トラム使ったの…?
二人とも死ぬほど疲れてしまったため、クリスタル宮殿公園で夕飯の時間までおしゃべりをして暇をつぶす事に。
地図では全く予想できないだろうが、クリスタル宮殿公園は、かなりの高台にあるため、徒歩で行こうと思ったらやたらめったらな坂を登るしかない。トラムを使えばもっと楽に行けると思う。私も次来るときは絶対トラム使います。景色抜群だし、静かだし、良い所。観光というよりは、散歩がてら来るのが良さそう。
今日の夕飯はマリザの友達もいっしょ。メグさん。あだ名からして日本人かと思っていたが、思い切りポルトガル人だった。メグというニックネームなんだって。夕飯はメグさんおすすめのお店で、ポルト名物のフランセージーニャを食べる。飲み物はサングリアを選んだ。
夕飯のフランセージーニャとサングリア。ちなみにこのフランセージーニャ、皿がでかいので小さく見えるが、大きさは軽く横15cm、厚みは約5cmほどある。パンとパンの間にハムと薄切りステーキがこれでもかとはさまり、上にたっぷりのチーズとトマトソースがかけられ、更に目玉焼きがのっている。恐るべき事にこれでも半分サイズである。高カロリー高脂質の正真正銘ポルトガルB級グルメ。マリザ曰く「コレステロール爆弾」。そして他のポルトガル料理にもれず安くてうまい。
ホステルに帰り、チェックイン…のつもりだったがここでトラブルがあった。
「クレジットカードのPINコードを入力してください」
…? PINコード? サインでいいですか?
「サインじゃだめだよ」
私は知りませんでした、ヨーロッパでクレカを使う際にはPINコードが必要だと。いつも通りサインでオッケーだと思ってた。そもそもクレカを作ったのが大昔で、そのまま日本ではサインで済んでしまったため、すっかりPINコードの存在を忘れていたのだ。
サインではだめだと言われ目の前が真っ暗になる。
防犯対策として、持っていく現金は必要最低限に留めたが、それが裏目に出た形に。
この後、なんとかどうにかなったので詳細は省きますが、この出来事は私の心に深くトラウマとして刻まれた。
そして帰国したらまずカード会社にPINコード設定の書類を送ろうと決めたのだった…。