ペークソ

なんとか生きてる星人

ユーラシア大陸の果てを目指してポルトガルに行ってきたらアムステルダムであわや野宿になりかけた【9】―リスボン→アムステルダム―

9/23 リスボンアムステルダム 快晴

いよいよ、この旅も終わり。リスボンからアムステルダムまで行き、アムステルダムでトランジットが19時間あるので1泊した後、帰国する予定。初めての空港には早めに着いておくに限る。と思って早く出たら、ちょっと早すぎてしまった。まだチェックインカウンターが開いていなかったので、空港のカフェで最後のナタを食べる。

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やっぱりコインブラで食べたナタが最高だったなあ

 

ようやくフライト予定表に自分の乗る飛行機の時間が…と思ったら、微妙に便名が違う。出発時間も行き先も同じなのに、便名の、最後の一桁だけ、違う。えーー!どういう事!? 乗る便変わったの? でも便名てこんな小刻みの数字なのかなあ…と焦っていたら、数字が直っていて、乗る便名と同じになっていた。入力間違いだったっぽい。これが、後に続く、怒涛のトラブル地獄の始まりだった。

 

オンラインチェックインを済ませていた為、スムーズに進む…かと思いきや、先に並んでいた夫婦の預け荷物が大量でぜんっぜん列が進まない。ほんと、大量。ねえ、それ、超過料金10万単位でかかんじゃない?てレベル。お陰で、一つしか空いていないオンラインチェックイン専用カウンターの列が全く進まず、ついに苦情が出始めた為、普通のチェックインカウンターがオンラインチェックイン用として開放された。雲行き怪しい……

荷物を預け出国審査場に向かう。スマホの搭乗券を渡すが機械が読み取ってくれない。何回やってもダメ。何故できない!?とか言われる。わ、わかりません!! 検査員が英語でキレながら何かを超まくし立ててくる。「Do you Understand!?」ごめんなさい!!!!わかりません!!! 怒られまくって泣きそうになる。どうやらスマホの画面ライトが暗くて読み取れなかったらしい。無事通過できたけど、もう気が気じゃなかった。

 

夜8時半頃、アムステルダム着。出発前にKLMのサイトを確認した所、乗り継ぎ時間が12時間以上、または翌日に出発する場合は一旦荷物は受け取るようにと書いてあったので、Baggage Claimに向かう。

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しかし、待てど暮らせど荷物は出てこない。それどころか、3、4個ほどポンポンと荷物が流れてきたあと、掲示板に「全ての荷物は降ろし終わりました」的表記が。どういう事!? もうパニックですよ。メダパニーマですよ。ひどい混乱ぶり。こんなに混乱してて、私のしょぼい英語力では、旅客用カウンターに行ったところでとても状況を説明できる気がしなくて、KLMの日本語サイトからメールを送りましたよ…。「私の荷物はどこで受け取ればいいのよ 12時間以上の乗り継ぎは手荷物を一旦回収しないとダメなんじゃないの?」をいくぶんか丁寧に書いた。以下、返事。

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タグには、NRT(つまり成田)と書いてある。私の荷物は成田まで行くらしい。サイトには、乗り継ぎ時間が12時間以上または乗継便が翌日に出発する場合は一旦手荷物を引き取るように書いてあるじゃないかよう! いや、、、混乱して忘れていたけれど、チェックインカウンターでそんな感じの事を言っていた気がするな…。でもさ、サイトには12時間以上の場合は、引き取るって書いてあったから、そのつもりで下着とか着替えとか、スーツケースに入れちゃったよ! ずっと預けっぱなしだと知っていたら化粧品くらいはボストンバッグに入れてきたのになあ~。ただし、調べた所によると、大体は預けっぱなしらしいけど、もちろん例外もあるようで。やっぱりチェックインカウンターでそこを確認しておく必要があるんだな。

私は、この時点で、つくづく英語が出来ないと不便だと感じていた。思ったことをスムーズに伝えられない、重要な情報を聞けないのは、想像以上のストレスだ。

 

とにかくスーツケースは、成田まで行くので良いとして。受け取るつもりだったから、持ち込み手荷物には最低限しか入っていないけど、まあ何とかなるかな。そう思いながら今日宿泊予定のホテルに向かう。途中、スキポールの売店を覗いたらサーモンのお寿司が売っていたので買ってみた。

 

夜9時頃、クタクタになりながらようやくホテル着。空港の出口ではぼったくりタクシーがいて声をかけてきたけど、一言Noと言って追い払った。この時肉体も精神も疲労しまくっていたので、めちゃくちゃ殺気立ってたと思う。ゴルゴみたいな顔になってたんじゃなかろうか。ホテルのチェックインをしようと中に入ると、なんかパソコンが並んでいてその前でお客らしき人たちが何か操作していた。ここでチェックインをしろという事らしい。めっっっっちゃ嫌な予感する。てか嫌な予感しかしない。ホテルの予約番号を入れて、情報を入力して、クレカを入れると……出たーーーーPINコード。自業自得ではあるのだけど、このPINコードにはつくづく、つくづく!!!苦しめられた旅となった。

しょうがないので、スタッフに声をかけて「PINコードを持っていないから、サインで精算してチェックインさせてほしい」と伝えると思いっきり舌打ちされた。つうか向こうの人って不機嫌を隠さないし結構平気で舌打ちする人多いよね。日本だと舌打ちはめちゃくちゃ攻撃的な態度で、思いっきりケンカ売ってるのと同じだからあんまやんないよなー。感覚だけで言ったら、中指立てるのと同じくらいなんじゃないかと思う。

なんて思いながら経緯見てたら、PINコードを入力しろと言う。いや、だから、PINコードを持っていないんだよ。予約はしてあるの、でもPINコードがないからサインで精算をさせてほしい。と、印刷した予約表を見せながら伝えたのだけど、予約票の確認もせずに「できない。自分でなんとかして」と突き放されてしまった。

できなくないんだよ!!!!!!!!サインで精算させろ!!!!!!てか予約票くらい確認しろ!!!!!!木靴投げつけんぞ!!!!!!!!

この時、メダパニーマパルプンテがくわわった感じがした。まあ、心情的にはメガンテだったわけなんだけど。トドメですよ。これは。

あ、もうダメかも。って思った。混乱が脳のキャパ越えると目の前が真っ暗になるんだね。うたの冒険は、終わってしまった! と。キャンセルするしかないのか。でもこのホテルキャンセル不可なんだよね~~。キャンセル不可なら、予約確認して、サインでチェックインさせてくれるんじゃないかな~~~? でもまあ、ここ、日本じゃないし。予約取ってない怪しい東洋人が、ゴリ押しで泊まろうとしてると思われてんじゃないかな。そういう気がね、するの。諸々あって、服装も化粧も髪型もボロッボロだったからね、たしかにこのランクのホテルに泊まるような客に見えないよね。そこは悪かった。すいません。てか、とにかく、チェックインさせてもらえないでこのままなん? どうする? 私の英語力の限界を軽く突破してるような状況で。スキポール空港で野宿する羽目になるの? 初海外一人旅で、全く知らないオランダというこの土地で、ホテルのチェックイン失敗して、野宿か~~~。冒険野郎かな? 冒険野郎っていうか、馬鹿野郎かな?

 

マリザにどうしたもんかメールを送ると、一緒に方法を考えてくれた。彼女には最初から最後まで世話になりっぱなしだ。どうにかならんか…と思っていると、近くにジャン・レノに似たおっさんのスタッフが来た。あんためっちゃジャン・レノそっくりだな…。この人ならなんとかしてくれるかもしれない。私は必死でジャン・レノに「あああああいはぶのーぴんこーど」と小型犬のような困り顔で狼狽えながら伝えて、予約表を見せると、予約番号を打ち込んで確認してくれた。私の予約が見つかったようだ。

そしてさっきのスタッフの女の子を呼んでなんか指示してる。やめろーー!!!!!!こいつはいいよ!!!!!!こいつがしゃしゃってくるとまた余計な事言われて泊まれなさそうだからジャン・レノがやってくれよ!!!!と思い、ヒヤヒヤしながら様子を見守っていたら、ジャン・レノがおもむろに私に

Σb( `・ω・´)グッ

…………。たぶん、私は、本当に不安で死にそうな顔をしていたんだと思う。「大丈夫!安心して!」みたいな心の声が伝わってきた。チェックインできるんでしょ? できるんだよね!? できないわけないよね!!!! で、さっきのスタッフがジャン・レノに何か言われてテヘペロ☆みたいな顔してる。本来なら出来る事をやらなかったか、やり方を知らなかったか、何かを見落としていたのか。そして彼女も私に

d( *• ̀ω•́ )b グッ☆

おめえはグッ☆じゃねえだろうがーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!しかも両手で!!!!!!!!!!!風車なげつけんぞ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 彼女はさっきの投げやりな態度とはうって変わって、今度はえらい丁寧に設備の説明をし、「シャワールームの扉は閉めてね。理解した?」と2回言った。たぶんシャワールームの扉を閉めなかったアジア人が過去に居たんじゃないかと推測。私はクタクタに疲れ果て、一刻も早く寝たい気持ちでいっぱいだったのと同時に「帰国したらぜっっっっったい英会話スクール通おう」と考えていたのだった。

 

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これが件のシャワールーム。オシャレですね…。

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トイレ

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ベッド。いちいちスタイリッシュなんですよ…

 

そういや、スキポール空港の売店でお寿司を買ったんだっけ。

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醤油は日本の醤油と変わらなかったけど米がポロポロだから寿司とあわねえ

 

翌日、ろくすっぽ眠れず、手荷物のボストンバッグを抱えながらヨロヨロとホテルをチェックアウトした。部屋を出るとき居た清掃係の人の笑顔と「グッモーニン」が気持ちよかったこと、チェックアウトがすんなり出来たこと、空港でKLMの係員の男性にオンラインチェックインの列を聞いてお礼をしたら、「ドウイタシマシテ! イッテラッシャイ!」と言われた事で多少救われた気がする。

 

スキポール空港で飛行機の搭乗を待っている間、英語を勉強することと、絶対オランダにリベンジ旅行に来ると誓ったのだった。